西東京市は2011年に健康都市宣言を行い、2014年に健康都市連合に加盟した。心身の健康のみならず、まち全体の健康を実現する取組みを進めている。市政運営の基軸が、健康になることを支え合い、応援する「健康」応援都市である。2014年に市民の主体的な健康づくりを支援する「健康応援団」を市内の事業者や団体により創設。これまでに講演会や交流会等、応援団自らの企画運営による健康づくりを展開している。
親子食育&花摘みの丘ウォーキングイベント
「健康都市プログラム」では、「まち」の健康の視点から「健康」応援都市の実現に向けたイメージの見える化を図るため、「多様な世代の活動・交流の促進」「健康なライフスタイルづくりの促進」「暮らしの価値を高める魅力ある拠点づくり」の3つのプログラムを設定。「人生 100 年を健康に暮らす」を重点テーマとし、健康づくりや地域の課題解消に努めている。3本の柱となるのが「食生活」「体力・身体活動」「社会参加」だ。
こうした方針のもと、同市は2019年度から健康都市活動支援機構との共催で「ヘルシーパートナーズ事業」を展開している。事業の一環で同年11月に開催されたのが「親子食育&花摘みの丘ウォーキングイベント」だ。当日は抽選による親子21組47名が参加。「西東京しゃきしゃき体操」をはじめ、ウォーキングやタオル体操、サンドイッチ教室を楽しんだ。
挨拶に立った丸山浩一市長は「本市の人口は20万4800人に達し、さらに増加傾向にある」とし、「市民の傾向水準を上げるためには健康寿命の延伸とともにまちの健康が大切」と力を込めた。「都市農業を含めた産業振興に力を入れている」ことにも触れ「本市ならではのライフスタイルを見つけ、特色ある公園や景観、新鮮な農産物、さまざまな市民活動といった地域資源に親しんでいただきたい」と呼びかけた。
「西東京しゃきしゃき体操」は市の歌「大好きです、西東京」に合わせたオリジナル体操だ。足の筋力や全身の柔軟性、バランス能力の向上に効果がある。参加者は「西東京しゃきしゃき体操リーダー」の動きに合わせ、心地よい汗をかいた。
ウォーキングは地域資源を巡る約5千歩のコースだ。面積の1割が農地という同市では、キャベツをはじめ様々な農産物を100軒以上の農業者が栽培している。当日は、まち農アイドル「さぁや」が特別参加。野菜畑や果樹園の前で都市農園の魅力を伝えた。コースのハイライトは花摘みの丘だ。参加者は色とりどりに咲くパンジーや葉牡丹といった秋の草花を堪能した。
タオル体操は、東京都理学療法士協会が考案したもの。病院の筋力訓練やストレッチで効果を上げているという。同協会の小澤伸治部長は「日々続けることが健康増進につながる」とし、「運動習慣を子どもの頃からつけることが重要であり、楽しみながらきっかけづくりになる本イベントには意義がある」と評価した。
サンドイッチ教室は山崎製パン株式会社協賛、西東京市栄養士会の協力で実施された。手洗いや栄養について学ぶ食育講座も行われ、参加者からは「苦手だった食材を美味しく食べることができた」「子どもたちの自主性が身についた」といった感想が寄せられた。