市川市は、2004年の健康都市宣言以来、都市の健康、市民の健康づくりの施策に取組んできた。WHO憲章の精神を尊重し、「人の心と体の健康」とともに、人を取り巻く文化、教育等の社会環境や、道路、公園施設等の都市基盤の整備による「まちの健康」を一体とした「健康都市いちかわ」を目指している。
「健康都市いちかわ」の実現に向けて
「健康都市いちかわ」の実現のためには、行政の取組みだけでなく地域住民が健康に関心を持ち、自ら健康づくりを実践することが重要だ。当市では、市民の自主的な健康づくりや健康都市の考え方を広げるため、「健康都市推進講座」を実施。修了した受講者を「健康都市推進員」として委嘱しており、現在49人の推進員が健康づくりのリーダーとして、健康の保持・増進のための活動を積極的に展開している。
生活習慣の改善を学び体験する
「いちかわ健康フェスタ」は健康都市推進員会の企画で今回3回目を迎えた。市民団体と行政と健康都市活動支援機構が協働する「ヘルシーパートナーズ」の一環で、運動や食を中心とした生活習慣の改善を学び、体験できるイベントとして定着している。
挨拶に立った村越市長は「今後も健康都市連合をはじめ全国に市の取組みを発表し、当市に再び注目が集まるようPRするとともに、他の都市からも学んでいきたい」とし、「2025年度大阪万博のテーマである健康とICTに向け、重要施策である健康都市をさらに発展させたい」と力を込めた。
続いて健康都市活動支援機構の千葉理事長が登壇し「今は人生100歳の時代。健康寿命の延伸には食と運動と社会参画が不可欠で、特に社会参加ではこうしたイベントが友だちづくりや引きこもり防止に役立つ」と語り、健康フェスタのさらなる拡大に期待を込めた。
基調講演では、和洋女子大学の湊教授が登壇。「アスリートに学ぶ健康」をテーマに、アスリートの生活習慣や食生活の実際を紹介しながら、健康の維持増進に不可欠な適切な食事、適度な運動、質の高い睡眠のバランスについて講演した。
タオル体操は、スポーツ推進委員が実演指導。参加者はオリジナルのマフラータオルを手に、ゆっくりと大きな動作で「肩伸ばし」や「脇伸ばし」等でストレッチ効果を実感した。続く「東京五輪音頭2020」で楽しく盛り上がった後は体力測定で筋力・筋持久力、柔軟性、敏捷性をチェック。どれが高くどれが低いのかを説明し、すべてをバランスよく高い状態に保つために適した運動のアドバイスを行った。
併設の展示ブースには山崎製パン株式会社、株式会社はくばく、MOA食育ネットワーク千葉ハピネスクラブが出展した。担当者が壇上で食育活動や食物繊維が豊富な製品、有機農業の取組み等を紹介した。
参加者からは「アスリートが何を食べているのか学べた」「タオル体操が面白かった。毎日続けようと思う」「学生時代と比べて体が硬くなったので良い機会だった」「来年も参加したい」といった感想が寄せられた。
健康都市推進員会の桒岡会長は「プログラムを充実したことで健康づくりへの貢献度が高まっている。企業とのコラボレーションで身近な製品やサービスの健康効果も意識することができた」と評価した上で、今後は心の健康や認知予防、フレイル予防のテーマにも取組みたいと語る。「一人でも多くの市民を巻き込むために、志を等しくする他団体とも協働したいですね」。