
市川市食生活改善推進協議会が山崎製パン株式会社の協働のもと、「おやこの食育講習会」を開催した。参加者は塩浜女子MBC(バスケットボールチーム)の児童と保護者たち。和気あいあいとした雰囲気の中、自分たちで作ったサンドイッチを笑顔で頬張った。
地域の健康を食で支える

市川市食生活改善推進協議会は昭和52年に発足し、平成29年に40周年を迎えた。家族や地域に「豊かで健康な食生活」への関心を呼びかけ、実行するように働きかけている。同推進員は市より委嘱を受け、任期は2年。平成30年4月現在、60名ほどが委嘱されボランティア活動を行っている。内容は「食育の啓発」をはじめ「地産地消の推進」、「共食の推進」、「生活習慣病予防の食事や食事バランスガイド普及」等食による健康づくりの啓発である。主な活動として「おとなの食育講習会」や「おやこの食育講習会」があり、今回のサンドイッチ教室は「おやこの食育講習会」の一環として実施された。

本講習会の目的は、「子どもの頃から食べ物に興味を持ち、親子のふれあいを通して料理を作る楽しさと食べることの大切さを学ぶこと」そして、「自分の食事を自分で管理できるようにするとともに、生活習慣病の予防を図ること」にある。対象は主に小学生とその保護者で、子ども会や部活等団体での開催も可能だ。
山崎製パン株式会社のサンドイッチ教室

一方の山崎製パン株式会社も「食」に携わる企業の社会的責任の観点から、食育を支援する活動に取り組んでいる。活動の一環が、「食育活動」の専門スタッフ(Mクルー)による全国のイベント会場やスーパーマーケットの店頭でのデモンストレーションと「サンドイッチ教室」だ。調理実習と共に「食事バランスガイド」を使った情報提供を通して、「作ることの楽しさ、食べることの大切さ」や「栄養バランスの大切さ」を親子に伝えている。
食生活改善推進員と山崎製パンのコラボ

今回の「おやこの食育講習会」は同社のサンドイッチ教室との協働で行われた。レシピは「アメリカンボリューミーハムサンド」、「ベリーとパインの2色ポケットサンド」そして「かぼちゃのスープ」。サンドイッチを山崎製パンが、スープを食生活改善推進員が担当した。
同推進協議会会長は、「過去10年間で企業とのコラボは今回が初めて」としつつ、「山崎製パンのプログラムと市の管理栄養士の支援により、とてもうまくいきました」と語る。「サンドイッチのレシピは栄養バランスがよく、レパートリーが増えました。簡単で子どもたちも喜んでいます。手洗いの方法等、衛生管理も勉強になりました。」
チームのヘッドコーチは「スポーツには食が大事なのは言うまでもありません。今回のサンドイッチは手軽な割にボリュームと栄養に優れ、子どもでも作れるのがいいですね」と付け加える。

また、市川市健康支援課主幹の佐藤さんは「今回の教室は食育推進の一環で、栄養バランスに優れた食を摂ることで正しい食習慣や食の楽しさ、食事のマナーなどを習得することがテーマであり、適切な食材を用いたサンドイッチは目的に適っています。また、地元企業とコラボレーションできた意義は大きいと思います。」とし、連携・協力体制を強化した食育の推進の今後の展開に期待をかけた。




企業インタビュー(山崎製パン株式会社営業教育研修部)

Mクルーは全国の営業拠点のある20工場の営業課に所属しており、現在約100名が在籍しています。食に関する様々な情報をお客様にお伝えするために、スーパーマーケットの店頭や各地の食育イベント等で、プロモーションやサンドイッチ教室の開催を行っています。お客様との直接的なコミュニケーションを大切にし、パンを通じて食に関する情報や知識を提供しています。
◎サンドイッチづくりの効用は何でしょうか?
「食の大切さ」について広く伝える体験型のイベントとして、保護者とお子さんが一緒に参加して楽しめるサンドイッチ教室を2007年から実施しています。ただ手順通りにサンドイッチをつくるだけではなく、「食事バランスガイド」を使用しながら食に関するマナーや知識を組み込み、「つくる楽しさ」、「朝食の大切さ」、「栄養バランスの大切さ」を伝えています。
参加いただいたお客様の声として「野菜が嫌いな子なのに、自分でつくったサンドイッチの野菜は完食したので驚いた!」、「食が細い子なのに、もりもり食べて嬉しかった!」、「参加してから、家でも一緒につくっている」、「料理のお手伝いも積極的にしてくれるようになった」等、嬉しい感想が寄せられています。
◎食生活改善推進員や行政担当者との協働についてどのようにお考えでしょうか?
2016年の「北名古屋市地域ふれあいイベント」での中学生を対象としたサンドイッチ教室がきっかけとなり、食生活改善推進員と協働した活動を行っています。子どもの時から「食」への興味を持たせ、また親子や地域の人々とのふれあいを通して料理を作る楽しさ、食べることの大切さを学び、自らの食事を自分で管理できる「人の育成」とともに生活習慣病の予防を図るという共通の目的を広く啓発するべく、食生活改善推進員の皆さまの活動をサンドイツチ教室を通してサポートさせていただいております。