健康都市連合第6回国際大会が2014年10月29~11月1日の4日間、香港で開催されました。創立10周年を記念する大会で、西太平洋地域内の各自治体からおよそ700人が参加。大会の主テーマである「Health In All Policies(すべての政策で健康を)」と副テーマである「高齢者にやさしい都市」「生活習慣病予防」「災害・危機時の公衆衛生」に沿って、全体会議や分科会、ポスターセッションなどが行われました。
会議初日には、主催者によるオープニングセレモニーに続いてWHO事務局長、マーガレット・チャン氏のビデオメッセージが流れました。チャン氏は、世界人口の約7割が集中する都市部に健康格差が生じていることを懸念し、すべての政策に健康を反映させることを強調。特に最重要課題であるエボラ出血熱の対応等に向けて最貧国の公衆衛生への国際協力を訴えました。
基調講演にはキャリー・ラム氏(香港行政府官房長官)をはじめ、シン・ヤンスー氏(WHO西太平洋地域局長)、ジョン・アシュトン教授(英王立物理カレッジ公衆衛生学部長)、フラン・バウム教授(豪フリンダース大学サウスゲート研究所長)、アルフレッド・チャン教授(香港嶺南大学)、リュン・ティンハン氏(香港行政府保健省健康維持センター長)、ガブリエル・リョン教授(香港大学公共衛生学部薬学部長)らが登壇。専門分野における健康都市を公衆衛生をはじめ歴史、文化、政策、都市計画といったさまざまな視点で論じました。
日本からは、千葉県流山市、市川市、神奈川県大和市、愛知県大府市、尾張旭市、田原市、宮城県涌谷町の各自治体が参加。健康都市の政策や具体的な成果を発表して各国からの注目を集めました。
NGO健康都市活動支援機構は国際協力のセッションを担当し、今までに国際支援を行ったベトナムのフエ市、モンゴルのダルハン・オール県、マレーシアの北クチン市、フィリピンのマリキナ市からの代表と共同で成果報告と今後の展望について発表しました。
健康都市連合が優れた健康都市活動に授与する特別賞には、日本の自治体では尾張旭市、大府市、大和市が選ばれました。また、健康都市連合の新規正会員として、田原市が紹介されました。
会議最終日の総会では、香港大会宣言が発表されました。また、健康都市連合理事にNGO健康都市活動支援機構が引き続き推挙され、今後4年間の方針や運営に携わることとなりました。
第7回国際大会は2016年に韓国のウォンジュ市で開催されることが決定。ウォンジュ市長が同市のビデオを放映しその魅力をアピールしました。